高級腕時計ブランドROLEXの型番の謎を解説!

型番の謎
1) 「型番」とは
- 型番(Reference)=「そのモデルの型式」
本体ではラグ(12時側のベルト取り付け部)内側に刻印されていることが多い。購入証明書(箱・ギャランティーカード)にも記載。
2) 世代ごとの桁数と意味(大まか)
- 4桁:ヴィンテージ(〜1970s〜80sの一部)。例:5513(サブマリーナ)など
- 5桁:1970s〜1990s〜2000年前後の世代。例:16610(サブマリーナ デイト/5桁)
- 6桁:2000年頃以降の現行〜最近の世代。例:116610、126610、126710など(「11×」→先代6桁、「12×」→新世代の6桁、といった世代区分がある)
ポイント:桁数=だいたい年代の目安。だがリファレンスの先頭数字(116→126 など)には“世代差(ケース形状・ムーブ更新など)”が直接反映されるので、2つの似た型番でも性能や外見が違う(例:116610 vs 126610)。
3) 型番の読み方
一般的に、5桁・6桁は次のように分解できます(モデルによって例外あり)。
例:16234 → 162 | 3 | 4
のように読む。
- 最初の2〜4桁(例:162):モデルナンバー
- 末から2番目の数字(例:3):ベゼル種別(特にDatejustやDay-Dateといったドレス系で有効)
- 最後の数字(例:4):素材コード(ケース/ブレス素材)
ベゼル(末から2番目の数字)の代表コード(※主にドレス系)
0
= スムース(平滑)1
= 回転式 / エンジンターンド(用途により表現差あり)2
= 彫刻・刻印(engraved)3
= フルーテッド(溝=フルーテッド)4
= ジェムセット(宝石付き)6
= 回転式(Turn-O-Graph系など)
素材コード(最後の数字)の代表(0〜9)
一般的に流布している対応はおおむね次の通り(モデルや時代で例外あり)。実務上は「最後の1桁で素材を推定」するのが有効です。
0
= ステンレススチール(Oystersteel)1
= スチール+ローズゴールド(Everose Rolesorなど、二色)2
= スチール+プラチナ(Rolesium)3
= スチール+イエローゴールド(Yellow Rolesor、ツートン)4
= スチール+ホワイトゴールド(White Rolesor)5
= (ローズゴールド系/一部ゴールド)※出典により表記揺れあり6
= プラチナ(ソリッド)7
= 14K イエローゴールド(古い表記で登場)8
= 18K イエローゴールド(ソリッド)9
= 18K ホワイトゴールド(ソリッド)
※注意:サイトによって「1 の意味がイエローゴールドとしている/Everoseとしている」など微差がある(モデルごとの運用差や時代差)。そのため型番だけで断定せず、写真/実機/箱・ギャランティで確認するのが安全です。
4) 末尾のアルファベットの意味
近年の6桁型番では数字の後にBLRO, BLNR, LN, LV, GV, RBR, SABRなどが付くことがあります。多くはフランス語由来の略称で色や特徴を示します。代表例:
- G = 10PDダイヤモンド
- N = シェル文字盤
- BLRO = Bleu / Rouge(青/赤)=“Pepsi” セラクロムベゼル
- BLNR = Bleu / Noir(青/黒)=“Batman/Batgirl”
- LN = Lunette Noir(黒ベゼル)
- LV = Lunette Verte(緑ベゼル、例:Kermit)
- GV = Glace Verte(緑のサファイア風防=Milgauss特有)
英字は視覚的特徴(色・宝石・特別な風防など)を即時に示すための便利コードなので、型番に付いていると見た目が判別しやすい。
5) 実例で分解
- 16234 →
162 | 3 | 4
- 162 = Datejust 系、
3
= フルーテッドベゼル、4
= スチール+ホワイトゴールド(フルーテッドは白金)という古典的な組合せ。
- 162 = Datejust 系、
- 116610LN → 6桁世代のサブマリーナ(116=サブマリーナ系の6桁世代)、末尾
0
= ステンレス、LN
= 黒ベゼル(Lunette Noir)。(116610 はセラクロム初期の「マキシケース」世代)。 - 126710BLRO → 新世代(126xxx)のGMT-Master II、末尾
0
=スチール、BLRO
=青赤Pepsiベゼル。126→116 の世代交代でムーブやケースの微調整が入る(だから数字が似ていても中身が違う)。
6) 例外・注意点
- スポーツモデルは“ベゼル数字”ルールが一部当てはまらないことがある(回転ベゼルなど)。ドレス系(Datejust/Day-Date等)は規則が当てはまりやすい。
- メーカーがアップデートすると型番体系がアップデートされる(例:116xxx → ケース/ムーブ等の更新 → 126xxx)。見かけが似ていても世代差で価値・仕様が変わる。
- 情報源によって表現(特に素材コードの一部)にズレがあるので、型番だけで完全断定せず「写真・箱・刻印(ラグ内側)・ブレス刻印」を複合確認するのが実務。
7)売買・鑑定で役立つポイント
- 型番で世代(ムーブ、耐磁性、パワーリザーブ)や素材の一次判定ができる → 査定や在庫管理で便利。
- ただし正確な仕様確認は箱/ギャラ・刻印で二重確認。市場価格は“同じ見た目でも世代差で数十万〜数百万円変わる”場合がある(例:旧型116系と新型126系のサブやGMT)
結論
- 「型番(Reference number)」は**モデル種別+(ドレス系は)ベゼル種別+素材コード+(必要なら色/特殊仕様のアルファベット)**という情報を符号化したもの。5〜6桁が一般的。
- 世代で桁数・先頭番号が変わる:4桁(ヴィンテージ)→5桁(1970s〜1999頃)→6桁(2000年以降)。一般に桁が多いほど新しい世代。
- 末尾(最後の数字)は素材コード(0=スチール等)で、多くの場合かなり確実。
- 末から2番目の数字は(主に日付表示系/ドレス系で)ベゼル種別を表す。スポーツモデルは例外が多い。
- 末尾に付く**英字(例:BLRO, BLNR, LN, LV, GV)**は色や素材の特徴(Pepsi=BLRO = Bleu/Rouge 等)を示す慣習的コード。